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『silent』が忙しない現代人の心に刺さったワケ

多部未華子【Getty Images】
多部未華子Getty Images

映画やドラマなどの映像作品を倍速で視聴するファスト文化が形成されるなど、作品の視聴環境も変化しつつある現代。ドラマ作品でいえば、2時間ドラマが姿を消し、1話15分以内で楽しめるショートドラマの普及、深夜帯を中心に30分枠のドラマも増加傾向にある。

1時間枠でも『あなたの番です』(2019)『真犯人フラグ』(2021)(ともに日本テレビ系)のようなスリリングかつスピーディーな展開の考察ドラマが人気を集めてきた。

そんな中、ゆっくりとした時間の流れで、人と人との対話をじっくりと描いた『silent』は異彩を放っていた。

印象に残る場面は多々あるが、特に紬と湊斗の恋の終わりを描いた第5話も忘れられない回だった。策略ではなく、2人を描くにあたってベストな方法を選択したような潔い時間の割き方で、結果としてそれが紬たちに流れる時間がリアルに映った。

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