松下洸平演じる椿は
「2人組にさせてもらえなかった」
松下演じる春木椿は、本人も同様に誠実を絵に描いたような人物。それが松下によく似合うのだが、会社の同僚からは「旦那にするにはいいけど、つまらなそう」なんて陰口を叩かれる。
すでに結婚が決まっていた椿だったが、なぜか相手の小岩井純恋(臼田あさ美)は「友だちだから」と別の男性に会いに行く。椿は、特定の相手がいるのに異性に会いに行くことをよしとはしていないはずなのに、純恋の行動を咎めない。小さい頃から「2人組にさせてもらえなかった」から、1人にならなくて済むように臆病になっているのだろう。
そして迎えた引っ越しの日。待てど暮らせどやって来ない純恋から、やっと電話がかかってきたと思いきや、「結婚できない」と宣言される。どこにいるの、迎えに行くよ、と、食べかけのアイスを置いてまで迎えに行こうとしたのに。椿の涙の代わりみたいに、流しにバニラが落ちる。