個性溢れる
晴見フィルの団員たちとのやりとり
また、物語の奥行として特筆すべきは、個性豊かな晴見フィルの団員たちだ。
1話でスポットが当たったのはティンパニー奏者の内村菜々(久間田琳加)。高校時代に出場した大会で夢だったティンパニーをやっと任せてもらえたのに、ミスをしてみんなに迷惑をかけてしまったという。そんな彼女に「ミスは誰にでもあること」と夏目は優しく諭し、先の練習で宿題にしていたベートーヴェンの「運命」のダダダダーンという印象的なフレーズをどう解釈するか問う。
菜々の解釈を聞き、どんどんボルテージの上がっていく夏目。音楽は自由だと、夏目の目が、声が、身振りが訴える。あまりにも生き生きと譜面を見つめ音の解釈を語るものだから、観ているこちらまで楽しくなってくるようだった。
トラウマを抱えていたはずの菜々の表情も、次第に明るくなっていく。きっと菜々のように、これからの3か月で団員たちが音楽の楽しさを再確認していくのだろう。