演奏中に視線で会話する団員たち
二朗のうたカフェに行くと、ファミレスでの一件を聞かれる夏目。顛末を聞いていた二朗は、志帆について思い出すときに、さりげなく古谷のほうへ視線を送っていた。すでに二朗には大方の察しがついたのだろう。
志帆の相手は晴見フィルにいる、演奏のときに音が乱れた奴が間男だ、と言い出す。じわじわと追い詰められる古谷が、なんとも情けなくて可哀想だった。
この二朗のアドバイスに従って、夏目はレストランでの演奏時に団員たちに目を光らせる。演奏をしながら、視線と表情で何かを訴え合う。夏目に見つめられ、ひたすら焦る近藤(津田寛治)。
“間男”の候補から「絶対にない」と早々に外される古谷。にらみを効かせる羽野(佐藤緋美)。「違う違う!」と顔の前で手を振る大輝。それぞれの反応がコミカルで楽しい。
レストランには、二朗の策略で志帆も来ていた。その志帆に視線を送る瑠李。それだけで「この子か。ふ~ん」となる志帆の勘がいいのか、夏目が鈍すぎるのか。
ロッシーニが得意とする「ロッシーニ・クレッシェンド」で、徐々に熱気を帯びていく音楽。まもなく最高潮に達しようかというそのとき、古谷が自滅した。夏目は、お前だったのかという半信半疑の表情で目を見開く。そして、音楽は終わった。