乃木の潜入任務を見抜いていたベキ
第9話では、「別班の任務としてここに来た」を白状した乃木に向け、実父であるテントのリーダー、ノゴーン・ベキ(役所広司)が刀を振り上げるシーンで終わった。しかし、その刀は、乃木を縛り上げ吊るしていた縄を切る。この行為にノコル(二宮和也)は激昂するが、ベキは「全て承知の上で、ここまで生かしておいた」と語る。
第8話で、テントによって、ともに捕らえられた黒須(松坂桃李)を射殺するよう命じられた際、ベキの銃の弾倉は空で、また、ノコルから手渡された銃に1発しか銃弾が込められていなかった。手に持っただけで正確に重さを量ることができるという特技がある乃木は、銃を渡された時点で弾倉の件に気が付いており、黒須を殺さずに場を凌いだ。
そして、ベキは乃木のそのような意図に気づいていた。ベキは、生きていた他の別班メンバーにも触れ、こうも付け加えた。「簡単に仲間を裏切るような人間なら、息子といえど軽蔑に値する。任務のために仲間をも欺いた」。
テントに潜入した上での“ベキ殺害”が任務だったことを打ち明けた乃木だったが、それを翻意させたのが、一目見ただけで人の善悪が分かるという“奇跡の少女”ジャミーンだった。
乃木がジャミーンを見舞った際、ベキの顔写真を見て、笑顔を見せたのだ。「この人、知ってるの!?」と驚く乃木に対し、ジャミーンはスマホで「とても優しい人、お父さんみたいな人」と打ち込んで見せるのだった。
ベキが単なるテロリストではないと感じた乃木は、別班のトップ・櫻井里美(キムラ緑子)の了承を得た上で、潜入捜査するに至った経緯を語る。