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福澤克雄監督「僕の中では第3部まで考えて作っている」

ナンディン・エルデネ・ホンゴルズラ『VIVANT』第10話より(C)TBS
ナンディンエルデネホンゴルズラVIVANT第10話よりCTBS

とにかく怒涛の展開で、様々な伏線が回収され、愛のあるラストシーンだったが、未回収の伏線もあり、空白を残した物語だった。

早くも続編や映画化を期待する声も上がり、最終回直前に行われたファンミーティングにて、原作・演出を兼ねた福澤克雄監督は「次回作があるのかよく聞かれる」と明かした上で「皆さん次第です。正直に言うと、僕の中では第3部まで考えて作っている」と語った。

しかし、福澤氏は、来年1月に60歳となり、定年を迎えることが確定している。本作は数々の名作ドラマを手掛けた福澤氏に対し、TBS側が長年の功績への感謝として、「1話1億円」とも噂される制作費を用意し、全てにおいて福澤氏の意に沿う形が取られた。

福澤氏もその期待に応えるように、超大作を作り上げ、「ドラマのTBS」の復活を印象付け、局に恩返しを果たした。定年後は、同局に籍を置きながら、映画も含めた監督業に専念するともいわれているが、現時点では未定だ。

ドラマの盛り上がりに水を差すように、第9話放送後の9月11日、『週刊女性』WEB版で「『VIVANT』続編決定!メインキャスト続投で放送は2年後」と報じたが、福澤氏がいくら大物ディレクターとはいえ、自身の身の振り方も定めていない段階で続編制作を決められるはずはない。よってこの報道は、眉に唾を付けて受け止める必要があるだろう。

福澤氏の中で、3部までのシナリオがあったとしても、続編が視聴者を満足させる出来になるのかどうかは未知数だ。これは製作費や、再びこの豪華キャストを集められるのかという問題の前に、この“第1作”をスケールアップできるのかが懐疑的であるからだ。

往々にして、大作の続編で、1作目を超えることは難しいもの。加えて、1週ごとに謎を残す“考察系ドラマ”であるために、劇場版には不向きだ。

福澤氏は還暦を前に『VIVANT』という名作ドラマを作り上げ、健在を示した。しかし、同時に重い十字架を背負ってしまったともいえる。『半沢直樹』や『下町ロケット』など、引き出しの多い福澤氏だからこそ、『VIVANT』続編にはこだわらず、福澤氏にはまた違った世界観を示した新たなドラマ作りを期待したい。

(文・寺島武志)

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