ホーム » 投稿 » 日本映画 » レビュー » 映画「告白」豪華キャスト。残酷なおとぎばなしのラストは…?<あらすじ 考察 評価 レビュー> » Page 5

告白 配役の魅力

主役の森口悠子に扮するのは松たか子。私怨を表に出さず、あくまで一教師として淡々と復讐を果たしていく姿からは、底知れぬ怒りと悲しみが伝わってくる。また、メイクアップによって肌や唇の色が暗いトーンに保たれており、テンションの高い、感情的な芝居に終始する他キャストとの対比が際立つ。

生徒陣には、公開当時は無名であったが、後にスターダムを駆け上がった役者が多数出演。美術部員役の能年玲奈(のん)やテニス部員役の三吉彩花は、後に何本もの映画の主演を務めることに。美月役の橋本愛は凛とした眼差しで、心に闇を抱えた少女を好演。娘の愛美役は当時わずか6歳の芦田愛菜が務め、出番は少ないものの、水際立った存在感を発揮している。

主演の松たか子が静の芝居で魅せるのに対し、犯人の母親役を演じた木村佳乃は、ヒステリックなオーバーアクトで対抗。後半にかけて演技は仰々しくなっていき、息子に刺殺されるシーンでは、ヒッチコックの名作『サイコ』ばりの絶叫芝居で観る者を引き付ける。と同時に、鑑賞者によっては冷ややかな気持ちにさせられるかもしれない。

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