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マスクをしている時もあごが動く!?

第一に「変わるモノ」。オリジナルからの改変点において最初に目を引くのは、仮面ライダーのフォルムの変化である。マスクからはみ出る後ろ髪を強調する演出、コートを羽織っている、という設定はドラマシリーズではなかったものだ。

また、マスクをしている状態でも会話をしている際には、顎が動く。また、鼻から下は開閉可能な仕様となっているという点も新しい。こうした「マスクに関する新解釈」は、往年のファンから反感を買うリスクがある。

しかし、庵野監督はそれを恐れずにやり切った。この細やかな演出により、本来、無機質なイメージがあった仮面ライダーの所作に、人間くささが宿り、劇中で度々問題となる、本郷猛=仮面ライダーの「優しさ」が見事に引き立っている。

また、原作では「怪人」と呼ばれる改造人間を「オーグ」という呼称にしたのも、チャレンジブ。現代的なワードに切り替えることで、新たな世代にも訴求しようという意図が感じられる。

ちなみに、『アベンジャーズ』などのMCU作品を日本でプロモートするにあたり、「悪役」を「ヴィラン」という呼称に変え、日本の若者に定着したのは記憶に新しいだろう。

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