役柄と似ている部分は「言いたいことは言うところ」
佐近監督とのディスカッションが役作りのヒントに
―――遥風というキャラクターとご自身、似ていると思う部分はありますか?
「う~ん、遥風は自分本位であり、自身の決断に陰りがないと思うんですね。自分の考えで日常を生きているから、人の意見はまず気にしないと言いますか。あえて共通点を言うとすれば、言葉を強く伝えがちなところですかね。もちろん人が嫌悪感を抱くようなことは言わないように心掛けていますが、言いたいことを言うという部分は、遥風とかけ離れてはいないと思います」
―――佐近監督と特にディスカッションしたことは?
「この作品に出演することになったのは、佐近監督とプロデューサーの石川俊一郎さんとお会いした際に、台本の設定を大まかに説明していただいたのがきっかけなんです。そのお話を聞いて、ストーリーや遥風という人物像をリアルに想像することができました。
だから、その場ですぐにすり合わせができましたし、撮影初日からどう演じていいかという方向性で悩むことはなかったです。ただし、ラストシーンは例外です。最初はもう少しポジティブなエンディングの予定だったんです。それが現在の形に変わったことで、遥風の心情の持って行き方を改めて考えましたね」
―――演じていて印象に残っているシーンはありますか?
「家族で食卓を囲むシーンでしょうか。その時点で遥風は自分のせいで人が傷ついていることに気付いていないんです。そういった状況を自分の中で解決する術を知らない人間なんです」
―――そのような性格の女性を演じることは、精神的にキツくはなかったでしょうか?
「いえ、全然。むしろ、やりがいがありました。後輩社員のケンタロウ(三村和敬)と対話するシーンも、実際、遥風のようなクールでプライドの高い先輩女性社員っているんだろうな~と想像しながら、演じることができました」