ゾクッとする色気…。
26歳・目黒蓮が醸し出す“背中”の風格
2人の相思相愛が決定的になるのは、美世と清霞が一緒に町へ買い物に出かけるシーンである。美世はかねてから「異能」の力を持っていないことにコンプレックスを抱いており、自身が清霞に見合わない女性であるという思いに駆られ、久堂家を去ろうとする。しかし、清霞はそれでも一緒にいたいと伝え、お互いの気持ちを確認し合う。
ハイライトとも呼べる美しいシーンだが、2人の容姿、佇まいに注目したい。身長185㎝の目黒蓮に、157㎝の今田美桜。この身長差が、構図をドラマティックにしているのだ。このシーンでは、目黒蓮が身長差を活かして今田美桜の頭をポンポンとする、胸キュンアクションが描かれる。
ぶっきらぼうな性格の清霞は大柄である。初め、美世は彼に対して怯えを隠さない。しかし、清霞はいつの間にか美世に惹かれ、次第に包みこむような優しさを見せてゆく。畏怖の対象から、優しく包み込む存在へ。物語が進展するにつれて、2人の身長差がおりなす印象は180度変わるのだ。オーソドックスではあるが、なんとも見事な演出である。
さらに、目黒蓮の「背中」の演技にも注目したい。羽織やマントを着こなし、長身を活かしたバックショットが、美世目線でごく自然に映し出されるのだ。