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小さな命でも平等に救う…。
胸がアツくなるエンドロールにも注目

TOKYO MERの研修医弦巻比奈役の中条あやみGetty Images

そして、音羽は喜多見と千晶の危機に現れる。千晶の帝王切開手術は、新生児用の保育器が備わるYOKOHAMA MERの「YO1」で行われる。これは、小さな命でも平等に救おうとする音羽の信念を感じる装備でもある。

赤ちゃんと千晶が助かると、腰を抜かした喜多見に代わり、あくまで冷静さを保って処置を引き継ぎ、チームメンバーに指示を出すのが、いかにも音羽らしい。その後、音羽は、今後は喜多見のように危険に飛び込んでいくと言う鴨居に「頭痛の種は一つで十分」と言って、その場を去っていく。

ランドマークタワーの大火災や、そこに突入していくTOKYO MERメンバーの勇気、喜多見と千晶との愛の物語など、注目ポイントの多い本作。しかし、最大の見どころは、救援部隊の司令塔としての音羽の苦悩と決断。そして音羽の信念が、鴨居率いるYOKOHAMA MERのメンバーに伝わっていく過程に他ならない。

エンドロールにも注目だ。そこには、全国各地で活動している救急救命チームのポートレートが映し出される。今、この瞬間も、どこかで名も知られない“ヒーロー”たちが命を救うべく、活動している。そう思うと、全ての医療従事者への感謝の気持ちが、自然と湧き出てくるのだ。

(文・寺島武志)

【作品情報】
『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』
監督:松木彩
脚本:黒岩勉
キャスト:鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、要潤、小手伸也、佐野勇斗、ジェシー、フォンチー、菜々緒、杏、鶴見辰吾、
橋本さとし、渡辺真起子、仲里依紗、石田ゆり子
主題歌:平井大
2023年製作/128分/G/日本
配給:東宝
公式サイト

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