ホーム » 投稿 » 日本映画 » レビュー » 宮崎駿のスゴすぎる脚本術とは? 途中で主人公が変わる? 映画『天空の城ラピュタ』を徹底考察。主題歌の元ネタも解説 » Page 7

哀愁と郷愁をたたえた「君をのせて」〜音楽の魅力

ラピュタ© 1986 Studio Ghibli
ラピュタ© 1986 Studio Ghibli

本作の音楽といえば、まずは井上あずみが歌う主題歌「君をのせて」を挙げないわけにはいかないだろう。哀愁と郷愁を感じさせる本曲のメロディは、夢とロマンをテーマとした本作に相応しく、はるか遠くの世界を思い起こさせる曲に仕上がっている。小中学校の合唱曲の定番にもなっているので、学生時代に歌った読者も多いことだろう。

本曲の歌詞は、宮崎自身が担当しており、宮崎自身が敬愛するサン・テグジュペリの童話の世界観が反映されている。

特に本曲の冒頭にある「あの地平線 輝くのは どこかに君をかくしているから」という歌詞は、テグジュペリの著書『星の王子さま』に登場する「砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからだね」という一説を思わせる。

ちなみに、本曲の歌詞は、ジブリ作品ではお馴染みの久石譲が担当。久石は、本作の作品イメージからスコットランドやアイルランドの民謡をベースにした曲を提供。フルオーケストラに加え、サンプリングマシンでミニマルなフレーズを組み込むことで、物語に寄り添った楽曲に仕上げている。

なお、本作の音楽監督には当初、久石以外にもシンガーソングライターの宇崎竜童が挙がっていたという。宇崎竜童が本作の音楽を担当していたら…と妄想するのも面白いかもしれない。

【関連記事】
原作とどこが違う? 王蟲の正体とは? 映画『風の谷のナウシカ』徹底考察。 意味深なラストの真相は? 珠玉の楽曲も解説
宮崎駿と鈴木敏夫が絶賛した声優とは? 映画『もののけ姫』徹底考察。ハンセン病とこだまの意味は? 舞台と壮絶な最後を解説
声優・高山みなみの”素晴らしさ”とは? 映画『魔女の宅急便』徹底考察。「キキの魔法」の真の意味とは? 舞台と楽曲も解説

1 2 3 4 5 6 7
error: Content is protected !!