小栗旬(李牧)の登場がサプライズとして弱いワケ
崖の上から信たちの合戦の様子を観察しており、軍師としての才覚を表わし始めた河了貂。そこへ、突如現れ、河了貂へアドバイスをし始める謎の風格のある男。彼は、この時点では敵か味方かわからない存在だ。
しかし、原作を読んだ者であれば誰もが知るとおり、後に李牧は主人公たちの前に立ちはだかり、数々の激闘を繰り広げる、原作屈指のライバルキャラクターである。
つまるところ、『キングダム2 遥かなる大地へ』で小栗旬が任された役割は、次作以降の展開に期待を抱かせるための、“匂わせキャラ”に他ならない。実際、小栗は、河了貂が戸惑いつつも思わず話に聞き入ってしまうミステリアスな雰囲気を、そつなく体現している。
漫画原作つながりで言えば、ドラマ『GTO』にて、ひ弱な中学生役を演じたことに始まり、映画『花より団子』ではイケメン高校生、『クローズ ZERO』では屈強な不良高校生を演じてきた小栗が、ついに…軍師に昇格した。
年齢を増すごとに、着実に自身に見合った役柄を与えられている小栗。その出世魚ぶりは見ていて爽快ではあるが、すでに多くの漫画実写化作品に出演してきたこともあり、サプライズとしてはやや弱いという印象も受けた。誰もが認める大御所俳優として地位を確立するまでにはあと数歩…。それが筆者の正直な感想だ。
何はともあれ、続編に向けてさらなる盛り上がりをみせる実写版『キングダム』。未見の方は急いで映画館に駆け付けるべきだろう。
(文・ZAKKY)
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