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地上波では放送できないレベル
邦画史上に残る胸クソセリフを連発

『藁の楯』(2013)

監督:三池崇史
原作:木内一裕
脚本:林民夫
キャスト:大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、伊武雅刀、藤原竜也、山崎努

【作品内容】

経済界の大物・蜷川隆興(山崎努)の孫娘が、清丸国秀(藤原竜也)という男に惨殺される事件が発生した。隆興は財力をフルに使い、新聞やネット広告を通じて「清丸を殺した者に懸賞金10億円を出す」と発表。逃亡中の清丸は命の危険に脅え、身を守るために警察に出頭。警察上層部は、清丸を福岡から東京に移送するにあたり、懸賞金欲しさに清丸の命を狙う者からの襲撃をかわすため、厳重な警護体制をとることに。警護の指揮をとることになった銘苅一基警部補(大沢たかお)との白岩篤子巡査部長(松嶋菜々子)は、無事清丸を東京へと移送することができるのか…?

『ビー・バップ・ハイスクール』で知られる漫画家・きうちかずひろの小説デビュー作を、鬼才・三池崇史が映画化。第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、国際的にも高い評価を得た。

【注目ポイント】

「懸賞金10億のクズ」こと清丸国秀を演じる藤原竜也は、児童殺害という重罪を犯しながら、一切反省する素振りをみせない。それどころか、興奮した口ぶりで犯行時の様子を振り返ったり、命を懸けて自身の身を守ってくれているSPの家族を侮辱したりと、やりたい放題。胸クソ悪いことこの上ない。

とりわけ、クライマックスで発せられる「反省してます。どうせ死刑になるならもっとやっとけばよかったかなって」というセリフは、あまりに凶悪すぎて地上波で放映された際にはカットされたほど。恐怖心とは無縁の超人的なキャラクターであったならば、現実離れした存在として安心して観ることができただろう。しかし、清丸は弱い者をいたぶるのが好きなくせに、我が身は可愛くて仕方がない、妙に人間臭い存在として描かており、それも相まって観る者の心をざわつかせる。

通常であれば、そんなクズキャラは主人公によって打倒されるべき存在であるはずだ。しかし、皮肉なことに『藁の楯』の主人公・銘苅は、命を懸けて清丸を守らなければならず、職業倫理と私情との間で引き裂かれる。主人公の葛藤が深まれば深まるほど、ドラマの面白さもそれに付随して深まるというもの。その点、藤原竜也のクズ演技は、本作が第一級のエンターテインメントとして成立する上で、必要不可欠なファクターだと言えるだろう。

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