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『るろうに剣心』史上最凶の悪役
志々雄真実を演じる

『るろうに剣心 伝説の最期編』(2014)


出典:amazon

監督:大友啓史
原作:和月伸宏
脚本:藤井清美、大友啓史
キャスト:佐藤健、武井咲、青木崇高、蒼井優、江口洋介、福山雅治、藤原竜也

【作品内容】

伝説の人斬り・緋村剣心(佐藤健)は、日本征服を狙う志々雄真実(藤原竜也)の計画を阻止するため、敵の本陣である京都に向かう。折しも志々雄は、甲鉄艦・煉獄で東京に攻撃を仕掛けようとしていた。煉獄に乗り込み、志々雄と相まみえた剣心だったが、圧倒的な力の差を見せつけられてしまい、その上、隙をつかれて薫(武井咲)を連れ去られてしまう。剣心は志々雄を倒すために、師匠・比古清十郎(福山雅治)のもとで修業を行い、奥義を習得。一方、剣心が死んだと思い込んでいた志々雄は、生存の事実を知ると政府に圧力をかけ、剣心を人斬り時代の罪で死刑にするように命じる。果たして剣心は、志々雄を倒し、薫を取り戻すことはできるのか…。

1994年から1999年まで週刊少年ジャンプで連載された人気漫画「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」の実写映画化。シリーズ第三作目となる『るろうに剣心 伝説の最期編』では、原作でも史上最恐の敵として名高い志々雄真実との戦いおよび、決着が描かれる。邦画史上類を観ない、大掛かりなアクションシーンが話題を呼んだ。

【注目ポイント】

藤原竜也扮する志々雄真実は全身を包帯でつつんだビジュアルはもちろんのこと、「弱肉強食」をモットーとする尋常じゃない野心で人々の心を惹きつける悪のカリスマ。藤原竜也は鋭い眼光と持ち前の身体能力を存分に発揮し、シリーズ最強の敵を説得力豊かに演じている。

剣心、斎藤一(江口洋介)、四乃森蒼紫(伊勢谷友介)、相楽左之助(青木崇高)といった手練れを一網打尽にする終盤の戦闘シーンは圧巻の一言。剣技のみならず、三角締めやジャンピングソバットといった体術を交えながら、4人を圧倒する姿は殺気に満ちあふれている。一方、その俊敏な身のこなしは華麗という他なく、一流ダンサーの表現に触れたときのような感動を与えてくれる。

また、フラフラになりながら敵に立ち向かう姿は、試合に臨むボクサーを想起させ、フィクションであることを超えて、ドキュメンタリーを観ているような感覚に陥るほど。『藁の楯』では、体を張らずに逃げ回るキャラクターを憎たらしく演じる一方、本作では卓抜なアクションによって主人公を苦しめ、観客を魅了する役柄を、体当たりで具現化。原作ファンがもっとも憎み、もっとも愛する名悪役を、気迫のこもった素晴らしい芝居で演じたことで、俳優としてさらなる高みに到達した一本。

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