「自分にはない部分を演じる際に感情移入できた」
クールで繊細な洋介について
―――さて、洋介役の本田さんですが。
本田「洋介を演じていて印象的だったのは、SNS上で養護施設出身だということを書かれて、少々荒れる役柄なんですね。実際の僕には、もちろんそういうバックボーンはない。ただ、この仕事をしていて、そこまでは気にはしないけど、レッテルを貼られるという感覚は共感できましたね。
お前に俺の何がわかるんだって。他人にわかるはずもないことをわかっているかのように、あるいはそれが真実かのように発言されるのは、僕でも嫌だと思うので、そういった感情は込めて演じました。洋介の立場だったら、今の僕よりそれが人生の足かせによりなるだろうし、過敏に反応するだろうなと」
―――みなさんのお話を聞いていて、曽根監督が狙っていた通り、各々、ご自身と共通する部分もあれば、自分は味わったことがない経験をしているキャラクターを演じていることが、ひしひしと伝わってきました。
平松「キャラクター的に近いところはあるので、より自分にはない部分を演じる際に感情移入できたとも言えますかね」