映画『シンデレラガール』が生まれたきっかけとは?
主人公のマネージャー・唯は、監督の分身とも言える役とのこと。
監督は、「この映画の企画は7〜8年前に生まれたものなんですけれど、そのきっかけはSNSでたまたま見つけた義足の女性が歩いている写真なんです。かっこいいと思ったのと同時に、義足や車椅子がおしゃれと縁遠いものだという決めつけを自分の中で持っているということに気づいたんです。僕が思っていた偏見を持っている人物としてこのマネージャーを設定しました」と説明した。
マネージャー・唯役を辻にお願いした理由について監督は、「元々は看護師役でオーディションに来ていただいたんですが、看護師役にも合うと思うんですけれど、それって普通だなと思って。決して善人だけじゃない役をやってもらったら面白いのではないかと思いました。」と話した。
辻は、12月8日公開のドキュメンタリー『私が私である場所』で、本作のオーディションを受けた際の映像も紹介されているが、「(看護師の)桜役のつもりでオーディションに行って、『できなかった』と思いながら帰ったんです。きっとダメなんだろうなと思って帰ったら、『唯役で決まりました』と連絡が来て。分身と聞いて、すごく責任ある役だなと思ってインしたのを覚えています。」と話した。
太田将熙が演じた医師・重樹役は、主人公の王子様的存在。
監督は、「この映画は『シンデレラ』をベースにしているので、重樹は白馬の王子様で、音羽を幸せに導く存在として映画の中で登場するんですけれど、太田さんはビジュアル的には申し分ないですが、オーディションにはかっこいい人はいっぱいいたんです。けど、演技って、演技力だけじゃなく、その人の内面的な魅力が大切なです。雑談をさせていただいた時に、この企画に対する思いが、嘘偽りなく伝わってきたんです。この人と一緒に映画を撮りたいと思いました。」と起用理由を話した。
太田は、シンデレラの王子様的立ち位置と言われ、「本当に恥ずかしい」と照れつつ、「僕は王子様という役どころだなというのは全体を通して思うんですけれど、重樹は自分を王子様と思って存在していなく、24歳医者というのがでかいと思うんです。24歳ということは、医師の国家試験を最速で受かった優秀な人物だと思ったので、普段の自分より落ち着きがあるのかなと考えて準備しました。」と話した。
太田は、「オーディションで、プロデューサーの榎本さんが『どういう映画にしたいですか?』と言った時に、『いい映画にしたいです』と、事務所に入って1ヶ月の人が言うみたいな発言をしてしまって…」と話すと、MCを務めた榎本は、「その素直さが監督に届いたのではないかと思います。」とフォローした。