『花束みたいな恋をした』【ネタバレあり】あらすじ
付き合い始めた、麦と絹は肉体関係を結び、互いの友人を紹介し合うなど、順調に愛を育んでいく。絹は就職活動中であり、麦はイラストレーターとして独り立ちをするのが当面の目標だ。
麦は絹の就職活動を精神的にサポート。2人は多摩川沿いのアパートに部屋を借り、同棲を始めるのだった。
麦と絹はクリスマスや大晦日も仲睦まじく過ごす。初詣に行った際、神社の近くで黒猫を拾い、「バロン」と名付けて、飼うことに。2人は大学を卒業しても就職をせず、それぞれ夢を叶えるために、当面はフリーターとして生きていくことに決めた。
新年度が始まりしばらく経った頃、絹の両親が2人の住むアパートを訪れ、2人の将来を心配する。数日後、今度は麦の父親がアパートを訪れ、「実家に戻らないと仕送りを止める」と告げるが、麦は絹との生活を手放そうとはしない。
絹はアイスクリーム屋でバイトをしながら、資格取得に向けて猛勉強。努力が叶い、晴れて就職を決める。一方の麦は、イラストレーターとして細かい仕事に従事するも、生計を立てるのは厳しい。麦は絹との生活を続けたい一心で、就職活動を開始。苦戦の末、大手通販会社に職を得る。
イラストレーターの夢を諦めていない麦だったが、日夜仕事に追われ、絵を描く時間はほどんどとれない。かたや、絹はひょんなことからイベント会社の社長・加持航平(オダギリジョー)と出会い、転職を決意する。
麦は絹から転職の相談を受けると、「仕事はそんなに甘いもんじゃない」と反対。激しい口論の末、麦は半ば投げやりに結婚の話を持ち出す。
絹はやっと心の底からやりたい仕事が見つかったばかりであり、麦の申し出に応える気にはなれない。その後、2人は何かと意見がすれ違い、喧嘩が絶えなくなる。
友人の結婚式に出席した2人は、幸せな気分のまま観覧車に乗り、カラオケを満喫。しかし、再び愛が戻ってくることはなく、ファミリーレストランでの話し合いの末、別れることを決心。2人は最後の日々を互いの好きなことに没頭し、明るく過ごすことに決めた。
時制は冒頭のカフェに戻る。麦と絹は破局したあと、新しい恋人に恵まれ、幸せな日々を送っている。2人は偶然再会を果たすも、一言も言葉を交わすことなく、店を出る。
数日後。麦は何の気なしにGoogleストリートビューを閲覧した。するとそこには、同棲していた頃の麦と絹が偶然写り込んでいる。絹は手に買い物袋と小さい花束を抱えているのだった。