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ビートたけしから読み解く「純愛」

監督のビートたけし【Getty Images】
北野武第74回ベネチア国際映画祭よりGetty Images

1991年公開の映画『あの夏、いちばん静かな海。』は、大ヒットこそしなかったが、純愛映画として非常にクオリティーの高い作品であり、映画評論家の故・淀川長治氏も当時、絶賛をしていた。

この作品は公開当時、北野武氏曰く「桑田佳祐が監督をした『稲村ジェーン』に対抗しただけ」といった、おどけたコメントを残しているが、たけし氏は当時から「純愛」というテーマに熱心だったのではないだろうか。

ゴシップ的な記事を綴りたいわけではないが、本作の初版は2017年であり、たけし氏は、2019年に72歳にして、離婚をしている。そして、昨今ではある女性との再婚も噂されている。

かつては既婚者ながらも女子大生と付き合っていたり、「駅のキヨスクで働いている地味なおねーちゃんにホレた」など、決して褒められるべきではない行動を取っていた、たけし氏。

しかし、その根底にあったのは、「純愛」という自分の気持ちに正直なピュアなマインドであり、数年前の離婚劇の際にも、誰かに恋をしてしまったという、素直な感情から生まれた作品なのではないだろうか。

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