純愛を「キタノブルー」で魅せたタカハタ監督の手腕
そもそもが、ふとした出会いから始まった恋愛。そして、不慮の事故と擦れ違いで結婚まで至らずも、2年間、みゆきのことを想い続けていた悟。この一連の流れを、まさに「純愛」と言わず何と言うのであろうか。
彼の一途な想いの顛末がどうなるかは、作品を鑑賞してから味わっていただきたいわけだが、涙腺決壊間違いなしと、保証しよう。
主演の二宮和也、波留の特に表情の作り方は、終始、穏やかで喜々としており、そして切なそうで、本当に恋をしている者同士の表情をしているところも、安心して観ていれられる最重要ポイントでもある。
そして最後に、原作小説はビートたけし名義であるが、世界の北野武監督の作品の映像化にチャレンジした、タカハタ秀太監督に大きな拍手を送りたい。
映画人・映画ファンたちにとって世界的なワードとなっている「キタノブルー」。本作で描かれるのは、青い海、青い空、そして、青みがかった月夜だ。北野武イズムを正当に受け継いだと言っても過言ではない映像美として、映し出したタカハタ秀太監督の手腕は。
原作者、監督、そして演者たちが最高の結託を果たした。今作は、日本映画史上に残る見事な名作であると筆者は思う。
(文・ZAKKY)
【作品情報】
タイトル:アナログ
監督:タカハタ秀太
原作:ビートたけし
脚本:港岳彦
製作:牟田口新一郎、市川南、中村浩子、小野田丈士、竹澤浩、弓矢政法、潮田一、小野剛、奥村景二、渡辺章仁、檜原麻希
出演:二宮和也、波瑠、桐谷健太、浜野謙太、板谷由夏、高橋惠子、藤原丈一郎、坂井真紀、筒井真理子、宮川大輔、佐津川愛美、鈴木浩介、リリー・フランキー、
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