『虹』『Squall』と名曲のつるべ打ち
次なるナンバーは、ドラマ『WATER BOYS』(2003)における主題歌『虹』だ。福山のライブにおいて、ファンたちはブレスレッドライトを手首に巻くのが定番であり、この曲では特にそのアイテムが文字通り「虹」のような鮮やかな光沢を成し、美しく空間を彩る。
『WATER BOYS』は、男子高校性による当時は稀有な存在であった、シンクロナイズドスイミング部をテーマにした傑作である。『少年』から少し成長した高校性の心情を意識して作ったであろうこの楽曲を、セットリストの転換点に据えた構成には思わず膝を叩いた。少年が成長してゆくストーリーが、楽曲の流れで伺えるのだ。
「いま僕は行くのさ イメージの向こう側へ 空の向こうへと」(…んなこと歌われた日には、そりゃ、野郎たちも着いて行くっつー、話である(笑))
MCタイムでは、「最終ですよ、武道館!」「声を出しだい人は、出していいんです!『ましゃ』と呼びたい人は、呼んでもいいんです!」と、オーディエンスを煽る、福山。「ましゃーーー!!」との声援が当然のことながら鳴り響く。
「ましゃです」と、にっこりと微笑みながら、返す福山。コロナ禍でなかなか、思うようにライブができなかったこと、みんなにまた会えたことを喜ぶ、ひとつひとつの言霊に呼応するファンたち。
続いて、『巻き戻した夏』『Squall』をしっとりと披露。特に、後者の「わたし 恋をしている」といった、女性目線の歌詞は、やはりズルい。