井上鑑との最強タッグで最後まで駆け抜ける

続いて、『HEAVEN』『妖』『革命』といった隠れた名曲の連唱・連奏。全編を通して言えることだが、ヴァイオリン、トランペット奏者の存在感が際立っていることも言及したい。

『あの夏も 海も 空も』へと、福山雅治が綴る物語は、紡いでゆく。切ないメロディーをさらに切なくする「夜明け前に抜け出そう　誰も知らない海へ行こう」といった歌詞と歌声。そして、バンドメンバーたちと横並びに手をつなぎ、深々とお辞儀をし、本編は幕を閉じた。

当然、オーディエンスたちからは、アンコールの手拍子が鳴り止まない。ブレスレッドライトの光は、彼らの想いと共に輝く。観客同士によるウェイブも巻き起こり、「ずっとこの空間にいたい」とでも言っているかのようなファンたちの気持ちが、画面越しからも伝わってくる。満を持して再びステージ上に現れるバンドの面々。

「武道館、まだまだいけますかー！」と、福山雅治。アップビートな『光』、重厚なロッカバラード『ヒトツボシ』、ピアノの音色が映える『クスノキ』といった名曲陣を、これでもかと歌い上げる、福山。バンド陣が手を振りながらステージを去った後、さらに、福山は疲れた表情も一切見せず、「もう一発、いきますか！」と、オーディエンスたちに問いかける。もちろん、そこにいる誰もが、「何発でも！」といった気持で声援を送っていたであろうことは過言ではない。

「いつもは1人で演るんだけど、今日は、キャプテンの井上鑑と！ 」とのアナウンスと共に、キーボーディストであり、アレンジャーとしてチーム福山にはかかせない、歴代の昭和歌謡・Ｊ-POPの楽曲を彩ってきた御大が再び登場。最強タッグによる『Dear』を、福山によるアコースティックギターと井上のキーボードが、極上のアレンジとサウンドと歌声を鳴り響かせた。