原作ファン大興奮の映画オリジナル展開
そんな映画『変な家』の最大の魅力は、なんと言っても原作に登場する「間取り図」が建造物として画面内に登場するところだ。
動画を見ているとき、小説を読んでいるときに脳内にイメージしていたあの家に、主人公の雨宮(間宮祥太朗)が足を踏み入れる。
「えっ、ということはそこに棚があって、それをずらせば……おぉーー!」と、完成を待ちに待ったマイホームに初めてやって来たような気持ちでスクリーンに釘付けになること間違いない。
実は、この「変な家に実際に足を踏み入れる展開」は映画オリジナルの要素なのだ。原作小説の「筆者(雨穴)」が専門家や関係者へのインタビューを通して事件の真相に迫るのとは対象的に、映画版の主人公の雨宮(間宮祥太朗)は、いとも鮮やかに「変な家」に不法侵入していく。
この「変な家に実際に足を踏み入れる展開」こそが、「間取り図を見ながらの会話劇」である原作版と映画版の大きな違いだと言えるだろう。