「失くしたのは、心でした。」のキャッチコピーの意味

『ミッシング』の第1弾ポスターが公開されたとき、石原さとみ演じる沙緒里の横顔の添えられたコピーが目を引いた。
「失くしたのは、心でした。」
なるほど。これは失踪した娘を探す日々の中で母親が心を失い、暴走していくストーリーなんだろう……そんな推測は本編を見て覆された。
このコピーの主語は母親ではなく、世の中だ。
娘が失踪した日に推しのアイドルのライブに行っていた母親をネグレクトだと責めるネット民、事件の報道特集を、視聴率を稼ぐための道具としか思っていないテレビ局の報道部長、デマを鵜呑みにして沙緒里の弟の自宅に石を投げ込む人…そんな心を失った人間たちが、失踪事件関係者の心を壊していく。