「エロイムエッサイム」の意味とは…。謎を解く鍵はキリスト教にあり
映画の冒頭で、切れたトカゲの尻尾を持ってきた息子に冗談まじりに教える謎の呪文「エロイムエッサイム」。一見何の意味もない奇妙な字面だが、調べると意外な意味が隠されていることがわかる。
実はこの言葉は中世ヨーロッパの真術書・グリモワールに書かれていたものであり、ヘブライ語で「エロイム(Eloim)」と「エッサイム(Essaim)」の2つの言葉を組み合わせた複合語。
ヘブライ語でそれぞれ、「エロイム(Eloim)」は「神よ」、「エッサイム(Essaim)」は「悪魔よ」という意味がある。これらをくっつけ「エロイムエッサイム」は「神よ、悪魔よ」という意味となる。
簡単に説明すると、「エロイムエッサイム」は神や悪魔に何かを要求する際、主に黒魔術で使われる呪文である。作中ではこれを唱えたことにより、元々奇妙な力を持っていた美雪が怨霊となり召喚される。
比呂子と伊原直人は、美雪の過去を探るべく彼女が育った施設へと向かう。そこで彼女が奇妙な力を操ることができ、母親は同じ力を使える宗教の教祖だったことを知る。これにより、奇妙な力が代々受け継がれていたということが判明する。
話は逸れるが、「エロイム(Eloim)」はキリスト教で「父、子、精霊」の三位一体の神を表していると言う説がある。これは神が自分を表す様式を変えていったものを主張する見解となっており、簡単に説明すると、「互いに区別された位格であるが、本質的にはひとつである」とする考え方である。
これにより、美雪は操り人形にすぎなかったのではないかとも考えることができる。怨霊(悪魔)は元々母親の家系に取り憑いており、母親が亡くなったことで美雪へ。そしてさらに美雪の血を受け継ぐ子・春翔へと取り憑かれてしまったのだ。