SFアクション界の革命児〜演出の魅力
本作は、1999年公開のSFアクション作品。監督はラリー&アンディ・ウォシャウスキー(ウォシャウスキー姉妹)で、主演はキアヌ・リーブス。続編に『マトリックス リローデッド』(2003年)、『マトリックス レボリューションズ』(2003年)『マトリックス レザレクジョンズ』(2021年)がある。ちなみに、『マトリックス』シリーズの時系列はストレートであるため、公開順に観れば問題はない。
公開されるやいなや、世界中で一大センセーションを巻き起こした本作。とりわけ終盤、レオが上体を大きくそらして銃弾を避ける「マトリックス避け」は、真似をした人も多いのではないだろうか。
しかし、本作の重要性は、単なる見た目のインパクトに留まらない。後述の「バレットタイム」をはじめ、本作には従来になかった映像表現が随所に用いられており、2012年には「文化的、歴史的、美学的に重要な作品」として、米国議会図書館のアメリカ国立フィルム登録簿に登録されている。
また、斬新で哲学的な世界観も、『リベリオン』や『インセプション』など、さまざまなSF映画に影響を与え続けている。まさに、本作の登場自体が、映画史の革命だったといえる。
では、本作が起こした“革命”の全容が一体どのようなものだったのか。次ページから詳しく紐解いていこう。