キアヌ・リーブスとの出会い〜配役の魅力
監督のウォシャウスキー姉妹は、企画当初、ネオ役にはウィル・スミスやレオナルド・ディカプリオなど、錚々たるハリウッドスターたちがキャスティング候補に上がっていた。
しかし、脚本があまりに難解だったため、オファーを断られたのだという。そこで白羽の矢が立ったのが、『スピード』(1993年)で世界的な人気を博していたキアヌ・リーブス。ウィリアム・ギブスンの小説『ニューロマンサー』など、サイバーパンクSFを好んでいた彼は、本作の脚本を気に入り、二つ返事で承諾したという。
なお、ウォシャウスキー姉妹は、救世主である主人公ネオは超人的な能力と優しさ、弱さを持つ人間らしさが必須であり、適役はキアヌしかいなかったと断言。キアヌ自身、その期待に応えるかのように、撮影前には4ヶ月半に渡るカンフーとワイヤーアクションをこなし、劇中ではスタントマンなしでほぼ全てのアクションをこなしている。
本作をきっかけに、瞬く間にスターダムを駆け上がったキアヌ。彼と本作との出会いは、まさに運命だったのかもしれない。