ホーム » 投稿 » 日本映画 » レビュー » 映画『女優霊』本物の霊が映ってる…!? 観たら呪われるやばいラストシーンを考察<あらすじ 解説 評価 レビュー> » Page 7

テクノポップと尺八の音が印象的〜音楽の魅力

本作の音楽では、オープニングとエンディングで使われている河村章文によるテーマ曲が印象的である。

この曲は、作中でいくつかのバリエーションがあるものの、一貫してメロディラインに女性の声のようでもあり、虚空から聞こえる風の音のようにも聞こえる音が採用されている。また、ところどころ鈴の音がアクセントとなっており、1970年代以降のテクノポップの流れを汲みながらも、日本古来の幽霊やモノノケの文化を思わせる古風な雰囲気も感じさせる。

しかし、音楽の演出については少し「やりすぎ」な感も否めない。例えば映画の撮影中にひとみが転落死した沙織の幽霊を見るシーンでは、女性の悲鳴のような効果音とともに、いきなりパカパカとパーカッションによる曲が流れ出す。観客の不安をあおる演出の一環かもしれないが、シンセサイザーによる少し安っぽく単調なBGMが、逆に観客の興奮を覚めさせる。

いずれにせよ、制作陣はこれから全く新しいジャンルを開拓しようとしていたわけだから、音楽についてもさまざまな実験が行われていたのだろう。中田たちの試行錯誤が垣間見えるとともに、当時の時代を感じさせるサウンドトラックになっている。

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