「霊丸(レイガン)」会得の流れが原作と異なるワケ
続いて、第2話。主人公・浦飯幽助の必殺技「霊丸(レイガン)」。この技を幽助が会得するのは、人間界でも5本の指に入るといわれている有名な霊能力者・玄海(梶芽衣子)のもとでの過酷な修行によってだ。しかし、ここでも、玄海ではなくコエンマから霊丸の撃ち方を教わるという実写版ならではの改変がなされている。
個人的にはこちらの改変には思わず膝を打った。
原作では幽助が霊丸を会得するのはかなり遅く、序盤は基本的に徒手空拳で戦う。しかし、全5話と限られた尺で、徒手空拳の戦いを長々見せられても興醒めするのは必至だろう。その点、原作の内容を変えてでも、漫画『幽☆遊☆白書』の代名詞でもある霊丸を早々と登場させた制作陣のアレンジの妙に感心させられた。
第2話では、飛影と双璧を成す人気キャラであり、かつて魔界でも恐れられていた妖狐・蔵馬(志尊淳)が登場。人間界では、南野秀一という仮の姿である。原作では、飛影と蔵馬は各々の目的のため、妖怪・剛鬼と組んで、幽助と対峙することとなる。しかし、実写版では、この3人は徒党を組むことはなく、それぞれ、別々に登場。
何より驚いたのは、原作ではただのザコ役であり、絶対に省かれると思われていた剛鬼が、ちゃんと登場したことだ(しかも、CGによってなかなか迫力のある造形となっている)。飛影と幽助の前哨戦的なイベントとしては、なくてはならないキャラとも言えるが、この辺りも省略せずに描くところに、月川監督のこだわりが感じられる。
そして、飛影の生き別れの妹である雪菜(見上愛)と、本作のラスボス・戸愚呂兄弟を登場させる終わらせ方も良い。