突如として独立戦闘国家「やまと」を宣言
物語は、日本の近海で海上自衛隊の潜水艦「やまなみ」がアメリカの原子力潜水艦に衝突し沈没。艦長の海江田を含む乗員全76名の死亡が報じられる場面から始まる。その報に、海江田の後輩であり、同時に尊敬の念も抱いていた、同じく海自の潜水艦「たつなみ」艦長の深町洋(玉木宏)は疑念を抱く。
深町の読み通り、「やまなみ」の乗員は全員生存しており、事故は日米の政府が極秘に建造した高性能の原子力潜水艦「シーバット」に彼らを乗務させるための偽装工作だった。
「シーバット」の艦長に任命された海江田。乗船直前に“最終確認”として、密かに「シーバット」に核ミサイルを搭載する。その上で出航し、海底の中で突然、乗員と共に米軍に反旗を翻す。米国政府は海江田らをテロリストとみなし、太平洋上に展開する第七艦隊を総動員して「シーバット」を追う。
多勢に無勢の状況でも、米軍が誇る世界一の大型戦艦「ロナルド・レーガン」からの対潜ミサイル攻撃や、第七艦隊の潜水艦から放たれる魚雷をかわし続ける海江田。しかも、「音」を頼りに敵を追跡する潜水艦の特徴を利用し、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」を大音量で流し、米軍からの追っ手を手玉に取り、かく乱する。
日本政府も知らせを受け、右往左往する中、海江田は、自らを国家元首とした独立戦闘国家「やまと」の建国を宣言する。海江田は、「やまと」建国の理由を「世界中の国を一つにするため」と語る。あまりにも矛盾した行動に、日米両政府は困惑し、その真意を測りかねる。