かつては先輩と後輩の関係だった二人
米国はホワイトハウス主導で、あくまで「シーバット」撃沈を遂行しようとする。一方、日本政府は、「やまと」との距離感を巡って、堂々巡りの話し合いが続き、首相の竹上登志雄(笹野高史)、国会のドンにして内閣参与の海原大悟(橋爪功)らは、何も決断できずにいる。
この政治パートは、約30年前に原作が描かれた作品とは思えないほど現実感たっぷりだ。見方を変えれば、この間、日本の政治家は全く成長していないのだという気持ちにさせられる。
もちろん、海自も黙って見ているわけにはいかず、海江田の後輩であると同時に、性格は正反対の深町は、海江田と刺し違える覚悟で海自のディーゼル潜水艦「たつなみ」に乗船し、「シーバット」を追う。
「シーバット」に乗り込み、海江田と対峙する深町。深町は、かつて海江田の下官として同じ潜水艦に乗り込んでいた時期があり、その時、機械室に海水が浸入する事故が起きていた。
潜水艦内部への浸水は防げたものの、潜水艦が沈む危険性があることから、艦長の海江田は機械室を封鎖し、海水の侵入を防ぐために命を張った船員を犠牲にしたという過去がある。この件を機に、海江田に対し、深町は疑問を持つようになっていた。