鶴見中尉(玉木宏)は文句なしの再現度No.1!
鶴見中尉も、また独特なキャラクターだ。勝つためなら部下が戦死しようとかまわない。頭がキレるキャラで、サイコパス感満載だ。一方で人望は厚く、そのカリスマ性ゆえに、部下からとんでもなく信頼されている。
今作では玉木宏さんが演じたが、個人的には全キャラクターで、いちばん再現度が高かったと思う。
鶴見には「戦争で頭蓋骨の一部を砕かれ、たまに脳漿のようなものがこぼれてくる」というイカれた設定がある。その汁をハンカチで拭くときの怖さ。原作通りの恐ろしさだった。
杉元を脅迫するときの「ロウソクボリボリしちゃおうか」の場面では「歯をカチカチと鳴らす」というムーヴも完全再現だ。
また原作ファンが思わず膝を打ったのは、最後のシーンだろう。逃げる杉元を馬に乗って追いかける鶴見。アシㇼパの矢が馬に刺さり転落するが、転がりながら前に進み、そのまま10メートルほど全力疾走するシーンだ。
この時の走り方(通称・鶴見走り)が、もう原作通り過ぎた。背筋の伸び方、手の角度などがもう完璧。地味だが、分かる人には刺さるシーンだ。