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『用心棒』【ネタバレあり】あらすじ

監督の黒澤明【Getty Images】
監督の黒澤明Getty Images

またも、計画が狂った三十郎だったが、町人殺しは八州廻りを街から追い出すために仕向けた丑寅の計画だったことを知り、三十郎は雇われた下手人を清兵衛に売りつける。

有利となった清兵衛だが、手打ちを破談にするも、今度は卯之助が清兵衛の息子である与一郎を捕らえ、再び形勢が逆転する。

しかし、清兵衛一家も徳右衛門の情婦のおぬいを人質にし、丑寅と清兵衛は、与一郎とおぬいの人質交換を取り交わす。その際、おぬいの正体がしがない農夫である小平という男の妻で、徳右衛門と丑寅に無理やり妾にされていたことを知った三十郎は、見張りを皆殺しにして彼女を助け出す。

おぬいを逃したことが清兵衛一家の仕業と考えた丑寅一家は、多左衛門の絹倉庫に火を放ち、ついに一線をこえる。清兵衛一家も報復として徳右衛門の酒蔵を襲い、抗争は激化。街の至る所に死体が転がるという惨状となる。

一方、おぬいを連れ逃げた農夫・小平は、三十郎への礼状を権爺に託していた。その手紙が証拠となり、三十郎は丑寅一家に監禁され、おぬいの居場所を吐かせる為、激しい拷問を受ける。

見張の隙をつき、命からがら脱出に成功した三十郎は権爺の元まで逃げることに成功。権爺がついた嘘で、清兵衛に匿われていると考えた丑寅一家は、清兵衛の家に火を放ち、一家を皆殺しにする。

三十郎を匿っている人物は権爺であることを知った丑寅一家は、次は権爺を監禁し三十郎を誘き寄せる。権爺を助けるべく三十郎は、白昼の町辻で丑寅一家と対峙する。三十郎は瞬く間に丑寅一家を斬り倒し、丑寅一家は全滅する。

後ろ盾となっていた多左衛門は発狂し、徳右衛門を発作的に切り殺し、放心状態で走り去っていった。三十郎は権爺を助けだし、しめ縄を斬り、「あばよ」と一言だけ声をかけ、平穏を取り戻した町を去るのだった。

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