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「最も損している世代」を逆手に胸アツドラマを展開

岡田将生
岡田将生Getty Images

今作はゆとり世代にフォーカスを当てた作品だが、他にも様々な世代が存在する。例えば、ゆとりの1つ前のロスジェネ世代と言われてきた人。彼らは就職氷河期と言われ仕事にありがたみを感じる熱心な世代だ。

そんな人たちにとって、ゆとりは気に入らない世代なのだろう。名前からして覇気がない「ゆとり」だが、特にその第1世代は、上から厳しく指導され、下の怒られない世代に挟まれ、辛い思いをしてきた。今作の正和がその代表的な人物だ。

現代の若者は「Z世代」と言われている。このZ世代の特徴は、仕事にやりがいや楽しさを求め、プライベートを大切にするなど、バランスの良い生き方が評価される向きもある。

言ってしまえば、ゆとり世代は、「Z世代」の柔軟な考え方に至る過渡期に属し、若者に比べて柔軟性に欠ける上、先行世代からは「覇気がない、ライバル意識がない、危機感がない」と揶揄され、仕事でなにかミスをすれば「これだからゆとりは」と蔑まれる。

山路は授業で次のように語る。「国が勝手に土曜日を休みにして、教科書薄くしたくせに、成績が下がったらポンコツ扱いした。それでもゆとり世代には長所がある。それは「他人の足を引っ張らない、周囲に惑わされずベストを尽くす、個性を尊重する」。

この劇中屈指の名セリフは、当時なにかと悪い意味で標的にされていたゆとり世代の視聴者に胸をすかせたに違いない。

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