ホーム » 投稿 » 海外映画 » レビュー » 韓国映画「オールド・ボーイ」漫画との違いは? ハサミで舌を…。暴力描写に賛否分かれる衝撃作 <あらすじ 考察 レビュー> » Page 6

スタイリッシュで鮮烈な暴力描写~映像の魅力

撮影を務めたチョン・ジョンフン
撮影を務めたチョンジョンフンGetty Images

本作の映像の特徴といえば、まず挙げられるのは鮮烈な暴力描写にあるだろう。しかも、ペンチで歯を折ったり、生きているタコを踊り食いしてみたり、挙句の果てにはハサミで舌をちょん切ったりと、どのシーンも痛々しく、思わず目を覆ってしまう。

特に注目は、中盤に登場する横スクロールのアクションシーンだろう。オ・デスが金づち一本で並みいる敵をなぎ倒す爽快感満載のシーンだが、なんとこのシーンは一切編集無しで、CGはオ・デスの背中に刺さったナイフのみ。撮影には3日を費やし、17テイク撮影されたという。

しかし、本作の映像はいたずらに暴力的なだけではない。隅から隅までスタイリッシュで、卓越した映像技法とチャヌク自身の豊かな想像力にあふれている。

例えばイ・ウジンの過去を紐解くシーンでは、学生時代のオ・デスとイ・ウジンを大人のオ・デスが追いかけ、イ・ウジンの秘密をガラス越しに覗き見るという変わった表現が採用されている。

また、監禁中に食べていた「餃子」が手掛かりになったり、追い詰められたオ・デスがいきなりウジンの前で高校のときの校歌を歌ってみたり靴をなめてみたりと、「そこまでするか!?」というつい吹き出してしまうような、間抜けでシュールな映像が挟まれるのも特徴である。

圧倒的な熱量によるエロ・グロ・ユーモアの三位一体…それが、本作を傑作たらしめている。

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