マレーシア映画界を牽引するタン・チュイムイの監督復帰作『私は何度も私になる』邦題・日本公開版ポスタービジュアルが公開

text by 編集部

出産・離婚を経て表舞台から姿を消していた名女優が、再びスポットライトを浴びる。アジア映画界において注目の存在であるタン・チュイムイが、自ら監督・主演を務めた最新作『私は何度も私になる』(原題:野蛮人入侵)が、2025年6月28日(土)よりポレポレ東中野で先行公開される。新たに開館予定の神保町・シネマリスでも順次公開が決定している。(編集部)

タン・チュイムイ 映画界の異才、待望の復帰作──

映画『私は何度も私になる』
© 2022 By Heaven Pictures/HK/Cinemago

 本作は、2000年代のマレーシア映画界を牽引したタン・チュイムイの約10年ぶりとなる監督復帰作であり、自ら主演も務めた半自伝的作品だ。

 彼女は初長編『愛は一切に勝つ』(2006)で釡山国際映画祭とロッテルダム国際映画祭にて主要賞を受賞し、世界的な注目を集めた。2024年には東京で上映されたミュウミュウ「女性たちの物語」第27弾でも監督を務め、さらに『蒙古馬を殺す』ではエグゼクティブ・プロデューサーとしてベネチア国際映画祭での受賞にも関与。まさにアジアの女性映画人を代表する存在といえる。

『私は何度も私になる』は、武術映画の要素と内面的な成長ドラマを融合させた作品だ。マレーシアの大自然を背景に、現実と映画の境界が曖昧になる映像美が印象的。主演のムーン役を演じるタン・チュイムイのほか、ロジャー役にはシンガーソングライターのピート・テオ、武術師範ローにはジェームス・リーと、実力派の面々が揃う。

 復帰、葛藤、そして再生——。母であり映画人である主人公の旅路は、見る者に深い余韻を残すはずだ。

【ストーリー】

 主人公ムーン・リーは、出産と離婚を経て女優業から引退していた。しかし、旧知の映画監督ロジャー・ウーから新作アクション映画の主演を打診され、幼い息子と共にロケ地に降り立つ。提案されたのは“アジア版ボーン・アイデンティティー”とも言える本格アクション作品だった。

 彼女は撮影に向けて、ロー師範のもとで厳しい武術訓練に励む日々を送るが、やがて思いも寄らぬ知らせが届く。なんと、彼女の元夫が相手役として起用されるというのだ。映画という虚構と母としての現実、そのはざまで揺れるムーンの《己との闘い》が幕を開ける。

【作品概要】

出演:タン・チュイムイ、ピート・テオ、ブロント・パララエ、ジェームス・リー、ニー・ウーイ
監督:タン・チュイムイ
プロデューサー:ウー・ミンジン
日本語字幕:神部明世
翻訳協力:ワイズ・インフィニティ
協力:大阪アジアン映画祭
配給提供:天画画天(Heaven Pictures)、HK 株式会社
配給:Cinemago
2021/香港・マレーシア/106 分/カラー/G
(C) 2022 By Heaven Pictures/HK/Cinemago

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【了】

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