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ティモシー・シャラメの中性的な佇まいに注目~演技の魅力

ティモシー・シャラメ(『DUNE/砂の惑星』2021年の英国特別上映会より)
ティモシーシャラメDUNE砂の惑星2021年の英国特別上映会よりGetty Images

本作の演技と言えば、やはり主人公ポール・アトレイデス役のティモシー・シャラメは外せないだろう。『君の名前で僕を呼んで』ではじめて第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされて以降、“ハリウッドの若手実力派”として注目を集めているシャラメ。

いままでは、少し内気で神経質な美少年を演じることの多かった彼だが、本作ではさまざまな試練を潜り抜けて成長していくアトレイデス家の後継ぎを巧みに演じている。

とりわけ注目は、大好きな兵士ダンカンには全力で甘えてみたり、スパルタ教師ガーニイの前ではつっけんどんな態度を取ってみたりと、相手によってコロコロと態度が変わる点である。この人間的に未熟な思春期感が、彼の内なる不安を表現しているとともに、中性的な雰囲気にも見事に合致している。

また、ポールを陰で支えるレディ・ジェシカを演じるレベッカ・ファーガソンの演技も見逃せない。メンターとして彼を導く中で、彼との関係性の変化や感情を繊細に表現している。

そして、中性的といえば、フレメンの民・チャニを演じるゼンデイヤも忘れてはならない。本作での出演シーンはあまり多くはないものの、強烈な印象を残している。原作では、後に主人公ポールのかけがえのないパートナーとなる彼女。続編での演技に期待したい。

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