ハンス・ジマーによる荘厳かつダークな楽曲~音楽の魅力
本作の音楽を手掛けるのはハンス・ジマー。『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003年)、『ダークナイト』(2008年)、『インターステラー』(2014年)などの大作映画の音楽で知られ、グラミー賞を計4回受賞している映画音楽界の巨匠である。
シンセサイザーとオーケストラをミックスさせた壮大な音楽を特徴とする彼の音楽だが、本作では徹底的にメロディラインを排し、どこか異世界感が漂う荘厳でダークな雰囲気の楽曲を提供している。以下では、サウンドトラックのうち2曲を紹介しよう。
まずは、サウンドトラック1曲目に収録されている「DREAM OF ARRAKIS」。不規則なリズムの機械音を基調に、女性のコーラスの不協和音を挿入することで、後に起こる悲劇の予兆を感じさせる。
次に、サウンドトラック11曲目に収録されている「ARMADA」。ハルコンネン家が襲来するシーンで流れる本曲では、重低音を基調に、時折念仏のようなつぶやきや女性コーラス、そしてバグパイプの高らかな旋律が響き渡り、国家間抗争による混沌を巧みに表現している。
なお、ジマーにとって本作の原作小説は愛読書であり、いずれ自らの手で音楽を制作するため、あえて過去の実写化作品を見ていなかったという。この点からも、ジマーの抜擢がいかに適任だったかがうかがえるだろう。
【関連記事】
映画『インセプション』謎めいたラストシーンを解説。最後のコマが示す意味とは?<あらすじ 考察 評価 レビュー>
「意味不明?つまらない?」映画『エブエブ』の評価は? アカデミー賞受賞作を解説。忖度なしガチレビュー【あらすじ 考察】
映画『TENET テネット』史上屈指の難解映画をわかりやすく解説。未来人の目的は? 「アルゴリズム」の意味とは?