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現代社会に蔓延る問題がてんこ盛り
タイトルに込められた意味とは?

Fredrik Wenzel © Plattform Produktio

本作のポイントは、物語全体を通して、現代社会の問題が徹底的に風刺されている点だろう。過去の作品でも、現代社会の問題を卓越した手腕でユーモアに昇華してきたオストルンド。本作でもジェンダーやルッキズム、PC(ポリティカル・コレクトネス)など、さまざまなイシューをこれでもかと盛り込んでいる。

ちなみに、本作の原題となる「triangle of sadness(悲しみの三角形)」は美容用語で「眉間のしわ」を意味し、「人生で苦労をしていることを示す言葉」だという。精神的な幸福度が美醜の問題へとすり替えられてしまう現代社会を表した優れたタイトルである。

また役者陣もそれぞれの役柄にあった突き抜けた演技を披露しており観客を飽きさせない。特にカール役のハリス・ディキンソンのイケメンなのになぜか滑稽に見えるコメディアンぶりや、ヤヤ役のチャールビ・ディーンのいかにも外見だけを取り繕ったようなインスタグラマーの演技は必見である。

なお、ヤヤ役のチャールビ・ディーンは、2022年8月に犬猫の口内細菌による細菌性敗血症のため逝去、図らずも本作が遺作となってしまった。彼女の最後の勇姿を見るためにも、ぜひ見てほしい作品である。

(文・柴田悠)

2月23日(木・祝) TOHO シネマズ 日比谷 他 全国ロードショー

【作品情報】

『逆転のトライアングル』
監督:リューベン・オストルンド(『フレンチアルプスで起きたこと』、『ザ・スク
エア 思いやりの聖域』)
出演:ハリス・ディキンソン、チャールビ・ディーン、ドリー・デ・レオン、ウ
ディ・ハレルソン 他
配給:ギャガ
公式サイト
公式 Twitter:@triangle0223/公式 Instagram:@triangle0223
Fredrik Wenzel © Plattform Produktion

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