ザ・マスター 【ネタバレあり】あらすじ
数日後。フレディはドッドから「プロセシング」を受けることになった。フレディは催眠療法を受けることで、トラウマを思い出し、情緒不安定になるが、抑えていた感情を吐き出すにつれ、徐々に心の荷を下ろしていく。フレディにはドリスという名の婚約者(マディセン・ベイティ)がいたが、徴兵にともない別れることになったのだった。フレディはドッドに言葉をぶつけていくうちに心を許し、彼を「マスター」として崇めるようになる。
ある日、ドッドは「プロセシング」に関するセミナーを開講するが、参加者の1人は「インチキだ」と批判。フレディはドッドへの批判を許さず、発言者に暴力を振るうなど、過激な行動をとるようになる。ドッドの妻のペギー(エイミー・アダムス)は、過激な言動が目立つフレディを重宝するドッドに「あまり彼と関わらない方がいい」と注意を促すが、ドッドは聞く耳を持たない。
そんな中、ドッドがとある財団の資金不正流用の疑いで逮捕されてしまう。フレディもドッドを連行しようとした警官に反抗した罪で逮捕され、2人は揃って留置所に収監されることになった。隣り合った牢屋にぶち込まれると、フレディは怒りに任せて牢屋内のトイレを破壊。ドッドは野獣のように暴れまわるフレディに「プロセシング」を仕掛けるが、フレディはドッドを「お前は詐欺師」だと罵倒。ドッドはフレディを諌めつつも、「君のことを好きなのは私だけだ」と包容力のある言葉で屈服させる。
先に釈放されたのはドッドである。ペギーやエリザベスはフレディをすっかり危険人物だと思っており、彼を組織から追放するように懇願。一度は家族の要望を聞き入れるドッドだったが、フレディが釈放されると、真っ先に歓迎するのだった。
その後、ドッドとペギーはフレディの内面を改造するため、感情のコントロールする術を教え込もうとする。ドッドの努力が報われたのか、日を追うごとにフレディの性格は穏やかになり、感情のコントロールに成功したように見えた。しかし、ドッドが新しく書籍を出版すると事態は一転。フレディはドッドの書籍を批判する者を暴行してしまうのだった。
ドッドはフレディを娘たちとともに砂漠に連れていく。オートバイにまたがったドッドとフレディは目的地までどちらが早く着くか勝負しようと提案。猛スピードでバイクを走らせる2人。しかし、目的地を超えてもフレディはバイクを止めず、そのまま彼方へと走り去り、一向に戻ってこないのだった。
フレディはそのまま一目散にオートバイを走らせ、故郷・マサチューセッツに住むドリスのもとを訪ねることに。しかし、ドリスはすでに結婚し、幸せな家庭を築いていたのだった。その後、映画館で暇を潰していると、ドッドから電話をもらう。ドッドはフレディに教団に戻ってくるように懇願。催眠療法によってどうしてもフレディの狂気を治したいと告げる。
フレディはドッドのもとを訪ねるが、ペギーはフレディの復帰を認めておらず、「彼は救済など必要としていない」と夫を説得。ドッドはフレディに対し、教団に残るか、去って二度と戻らないか、いずれかを選択するように迫る。そして後者の道を選び、1人で誰にも依存せず生きることができた場合、「その時は我々に知らせてくれ」と告げる。フレディは涙を流しながらドッドの言葉を聞き、苦渋の決断の末、教団を去り、二度と戻らないことを誓うのだった。
エピローグ。フレディは酒場で金髪女性と出会い、ベッドを共にする。性行為の最中、フレディは女性に対しかつてドッドから受けた、「プロセシング」を仕掛ける。しかし、途中で両者は笑ってしまい、催眠療法は失敗に終わるのだった。