映画「インヒアレント・ヴァイス」を演出、脚本、配役、映像、音楽の視点で徹底解説！ ポール・トーマス・アンダーソン監督の長編第7作。ホアキン・フェニックス、ジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン、キャサリン・ウォーターストンら出演。この映画の真の魅力、そしてその結末とは？

インヒアレント・ヴァイスのあらすじ

舞台は1970年のロサンゼルス・ゴルディータ・ビーチ。私立探偵のラリ-・”ドック”・スポーテッロ（ホアキン・フェニックス）は、暇さえあればマリファナ吸引にうつつを抜かしているが、引き受けた仕事は全力でこなすお人好し。そんなドッグの前に元恋人のシャスタ（キャサリン・ウォーターストン）が突然姿を現し、事件の火種を持ってくる。

シャスタは誰もが知る不動産王・ミッキー（エリック・ロバーツ）の愛人である。彼女はひょんなことからミッキーの妻・スローン（セレナ・スコット・トーマス）とその愛人・リッグスから、ミッキーを精神病院に収容する計画を持ちかけられ、断れずに困っており、ドッグに助けを求めたというわけだ。

ドッグは早速ミッキーにコンタクトを取るため、彼が経営する風俗店を訪れると、何者かによって頭を殴られ気を失い、目覚めると傍には死体があり、殺人の疑いで警察に連行されてしまう。死体の身元はミッキーの手下・グレンであった…。