衝撃のラストに震える…女性映画の最高峰『グロリア』(1980)、リメイク版との違いを徹底考察。『レオン』への影響を解説
text by 編集部
映画『グロリア』主演ジーナ・ローランズ【Getty Images】
グロリア
3.5
- 原題:
- GLORIA
- 製作年:
- 1980年(アメリカ)
- 監督:
- ジョン・カサヴェテス
- 脚本:
- ジョン・カサヴェテス
- 撮影:
- フレッド・シュラー
- 音楽:
- ビル・コンティ
- 配給:
- コロンビア映画
- 上映時間:
- 122分
- 演出:
- 16点
- 脚本:
- 14点
- 配役:
- 17点
- 映像:
- 13点
- 音響:
- 13点
映画『グロリア』(1980)を演出、脚本、キャスト、映像、音楽の項目で徹底解説。名匠ジョン・カサヴェテス監督、主演ジーナ・ローランズの集大成的傑作。黒人の子供を守るため、マフィアと抗争する中年女性を、リアルなタッチで描いたこの映画の真の魅力、そしてその結末とは? <あらすじ 考察 解説 キャスト 評価 レビュー>
『グロリア』のあらすじ
ニューヨークでギャング組織の会計を担当するジャック(バック・ヘンリー)は、FBIにギャングの情報を売り渡していたことがバレ、一家ごと消されようとしていた。そんな中、偶然コーヒーの粉を借りに訪ねてきた隣人の独身女性、グロリア・スウェンソン(ジーナ・ローランズ)に、6歳の息子・フィル(ジョン・アダムズ)を預かるように頼みこむ。子供嫌いのグロリアは断るが、強引に押し付けられてしまう。
ジャックはフィルに、未通達の会計情報が書き込まれた手帳を「大事な聖書だ」と言い聞かせて持たせていたが、組織はその手帳の存在に気づいていた。
仕方なくフィルを家に入れたグロリアだったが、その直後にジャックの部屋から銃声や争う音が鳴り響き、グロリアは組織の仕業だと悟りフィルを連れてアパートから逃げ出す。
グロリアは過去に組織のボス・トニー・タンジーニの愛人でもあった。悲しみにくれるフィルを疎ましく思うグロリアだったが、2人はマンハッタンにあるグロリアの姉のアパートに逃げ込み一夜を明かす。しかし翌朝のニュースで、ジャック一家を殺しフィルを誘拐したのがグロリアであると報道され、指名手配されてしまう。
グロリアの情報は組織に筒抜けであるため、アパートにも手帳を奪おうとする組織が襲ってくる。グロリアは隠し持っていた拳銃でギャングの手下を撃ち、フィルを連れて逃げる。
逃避行する道中、グロリアはフィルに一家とお別れすることを提案し、墓地に行く。フィルは適当に選んだ墓の前で家族に別れを告げ「僕はもう6歳になった男だ。なんだってできる」と自分に言い聞かせるようにつぶやいていた。