『グロリア』【ネタバレあり】あらすじ
2人は安宿を転々としながらギャングから身を隠すも、グロリアは自分の身を案じ、フィルをブロードウェイの路上に置き去りにしてしまう。しかし思い直したグロリアはタクシーでフィルを探し回りやっとの思いで見つけるも、フィルが目の前でギャングの家に連れ込まれてしまう。
グロリアは家に乗り込み、フィルと手帳を奪い返すと地下鉄で逃げ、ミッドタウンにあるホテルに立てこもる。グロリアはいつの間にかフィルに対して母性が芽生えていた。グロリアはフィルと、故郷であるピッツバーグへ逃げることを決める。
しかし、フィルはグロリアがギャングと戦うことを疑問に思い、「銃を使うのではなく、ギャングと戦わなくてはいけない」と子どもらしく率直な意見をグロリアに伝える。
この言葉に胸を打たれたグロリアは、ギャングと決着をつけることを決意するのであった。
自らボスのトニーに連絡し手帳を持ってアジトに向かうことを告げると、所持金を全て引き出し、フィルに100ドル札を渡すと「私が3時間経っても戻らなかったら1人でピッツバーグに向かいなさい」と言い残し、ホテルを去った。
トニーの元へたどり着いたグロリアは手帳を渡し、全てを秘密にする代わりに今後フィルに手を出さないよう、約束させようとする。
グロリアが組織のルールを破ったことを非難するトニーにグロリアは「あなたたちにも母親がいた。でも私は母親になれなかった。今私はフィルが愛おしいの」と告げると、かつてグロリアと家庭を築こうとしていたトニーは何も言えなくなるのであった。
グロリアは自分を殺すならやりなさいと告げて席を立つと、手下を銃で撃ちエレベーターに飛び乗った。ギャングたちは下がっていくエレベーターに向けて一斉に銃弾を浴びせる。
その頃、フィルは時間になってもグロリアが戻らなかったため、1人でホテルを出て電車に乗りピッツバーグへ向かうのであった。
道中、1人で歩くフィルをみた男が「どこへいくのか、両親はいるのか」と訪ね、フィルは「パパとママは天国にいる」と答えたため、墓参りに行くのかと察した男は墓地のある場所をフィルに教えた。フィルはいつかグロリアとお墓で家族に別れを告げた時と同じように、適当に選んだ墓の前で「グロリア、会いたいよ」とつぶやいた。
するとそこに一台のタクシーが停まり、中から喪服を着た老婦人が降りてきた。それは指名手配から逃れるために変装したグロリアの姿であり、再開した2人は親子のように抱き合うのであった。