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2017年ハリウッドを発端に巻き起こった〈#Me Too運動〉が題材『アシスタント』特別ビジュアルポスター8点解禁!

text by 編集部

ドキュメンタリー映画作家のキティ・グリーンが、2017年ハリウッドを発端に巻き起こった〈#Me Too運動〉を題材に、今日の職場における大きな問題を掘り下げた『アシスタント』が6月16日より公開される。この度、主人公ジェーンの24hをテーマにした、特別ビジュアルポスター8点が解禁された。

「誰にでも置き換え可能な存在」
主人公の静かな痛みに耐える24hがテーマ

© 2019 Luminary Productions, LLC. All Rights Reserved.
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「サンダンス国際映画祭 2020スポットライト部門 出品」、「ベルリン国際映画祭 2020パノラマ部門 出品」膨大な実話から巧みに練り上げられた、ある一日の物語。

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名門大学を卒業したばかりのジェーン(ジュリア・ガーナー)は、映画プロデューサーという夢を抱いて激しい競争を勝ち抜き、有名エンターテインメント企業に就職した。業界の大物である会⻑のもと、ジュニア・アシスタントとして働き始めたが、そこは華やかさとは無縁の殺風景なオフィス。早朝から深夜まで平凡な事務作業に追われる毎日。常態化しているハラスメントの積み重ね…。しかし、彼女は自分が即座に交換可能な下働きでしかないということも、将来大きなチャンスを掴むためには、会社にしがみついてキャリアを積むしかないこともわかっている。ある日、会⻑の許されない行為を知ったジェーンは、この問題に立ち上がることを決意するが――。

© 2019 Luminary Productions, LLC. All Rights Reserved.
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この度解禁されるポスターは「戦場のメリークリスマス4K」「WKW 4K」「エゴイスト」なども手がけるデザイナー・成瀬慧によるもの。だ暗いうちからタクシーで出社する早朝、上司に関係を強要されたであろう女性のイヤリングを見つけた午前中、お茶汲みの間に受ける先輩スタッフからの仕打ち、休憩を終えたと思えば、女性だからと言う理由で子守を押し付けられる午後…。静かな、だが確実に積み重なっていく痛みに耐える主人公ジェーンの24hシーンカットをベースに制作。

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成瀬は「主人公ジェーンは、常に女性の誰にでも置き換え可能な存在として会社にいます。一日の中で彼女がそう感じたことがいくつあっただろうか。この映画がサスペンスとして見えてきたとき、置き換え可能な存在かもしれない自分、という不安と共鳴しているのかもしれません。オフィスの蛍光灯は彼女の存在を、会社のデスクや壁に馴染むくらいにしか照らしてくれません。ステーショナリーの方がカラフルで目立っているかも知れません。そんな彼女の存在を照らす微小な光を探し、増幅させながら、彼女のコントラストを映画の外で浮かび上がらせました。それは希望の光とかではなくて、他者に纏っている光や色があることを認識して、ジェーンは次の日を迎えるべきと思うからです」とコメントを寄せている。

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もう一つの『SHE SAID』
誰も無関係ではいられない87分

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24時間のあいだ、まるで透明な存在のようにさまざまな暴力の矛先になるジェーン。自分の意見はほとんど述べず、寡黙に状況を見つめる彼女の目を通じて、観客は自分が同じ立場ならどうするか考えさせられる。

© 2019 Luminary Productions, LLC. All Rights Reserved.
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また同時に、本作は『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(2022)にも連なる、職場のパワハラや性的虐待を許容し蔓延させているシステムへの痛烈な告発とも言える。一つの確信によって、自らも気づかぬうちに組織のシステムに加担していることを知ったとき、ジェーンはどのような選択をするのか?

架空の映画会社の一日が、目に見えない〈闇(しくみ)〉を明るみに出す――すべての人に問いかける、87分の静かな衝撃となっている。

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【作品情報】

監督・脚本・製作・共同編集:キティ・グリーン
出演:ジュリア・ガーナー、マシュー・マクファディン、マッケンジー・リー
製作:スコット・マコーリー、ジェームズ・シェイマス、P・ジェニファー・デイナ、ロス・ジェイコブソン|サウンドデザイン:レスリー・シャッツ |音楽:タマール=カリ|キャスティング:
アヴィ・カウフマン|2019 年|アメリカ|英語|87 分|2:1|カラー|原題:The Assistant © 2019 Luminary Productions, LLC. All Rights Reserved.
配給・宣伝:サンリスフィルム
公式サイト
公式Instagram
Twitter @theassistant_jp

6.16 fri 新宿シネマカリテ、恵比寿ガーデンシネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

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