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PG12の理由は? 最後の手話も解説。アカデミー賞映画『コーダ あいのうた』タイトルに込められた深い意味とは…?

text by 編集部
映画『コーダ あいのうた』イラスト:naomi.k

映画『コーダ あいのうた』イラスト:naomi.k

コーダ あいのうた

3.5

第94回 アカデミー賞 - 作品賞、助演男優賞、脚色賞
第28回全米映画俳優組合賞(SAGアワード) - キャスト賞、助演男優賞
第31回ゴッサム・インディペンデント映画賞 - 助演賞、ブレイクスルー演技賞
英国アカデミー賞2022 - 脚色賞、助演男優賞
サンダンス映画祭2021 - 観客賞、審査員賞、監督賞、アンサンブルキャスト賞

演出:
13点
脚本:
13点
配役:
15点
映像:
12点
音響:
16点

映画『コーダあいのうた』を【ネタバレあらすじ】に加え、演出、脚本、配役、映像、音楽の項目で解説。アカデミー賞を席巻。実話を基にしていない、フランス映画『エール!』のリメイク。タイトルの意味、PG12の理由、最後の手話の意味を考察。邦題に批判が集まる本作は面白い? つまらない? 真の評価を多角的な視点で明らかにする。<あらすじ キャスト 考察 評価 レビュー>

『コーダあいのうた』のあらすじ

マサチューセッツ州の港町。父・フランク、母・ジャッキー、長男・レオ、娘のルビーの4人家族は、漁業を生業としている。ルビー以外のメンバーは聴覚障がい者である。高校生のルビーは、登校前の朝早い時間に漁船に乗り、通訳の役割を果たすことで、家族の仕事をサポートしていた。

早朝から仕事をしていることもあり、授業中に居眠りをするなど、ルビーの学校生活は充実しているとは言い難い。同級生たちも、人とは違う境遇にいるルビーを敬遠。学校での話し相手は、親友のガーディー(エイミー・フォーサイス)のみだ。

そんな中、ルビーはひょんなことから、合唱クラブに入部することに。ルビーは同級生のマイルズ(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)に思いを寄せており、彼の入部が決め手であった。とはいえ、かねてよりルビーは音楽を愛しており、漁船の上では大音量の音楽に合わせて、伸びやかな歌声を響かせていた。

合唱部の顧問・ベルナルド(エウヘニオ・デルベス)は「V先生」 の愛称で親しまれている。入部したてのルビーは、大勢の前で歌うことに気恥ずかしさを覚え、練習を抜け出し、人気のない森の中で「ハッピーバースデイ」を歌い上げる。

その後、ルビーはV先生に励まされ、初めて他人の前で歌声を披露。V先生はルビーの卓越した才能に気付き、名門音楽大学への進学を強く勧める。しかし、ルビーの家は貧しい生活を強いられており、彼女にとって大学進学は夢のまた夢であった。

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