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黒板の数式を解くシーンの真相を脚本家・デイモンが明かす

ベン・アフレックとマット・デイモン
ベンアフレックとマットデイモンGetty Images

映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』は、現実の出来事からインスピレーションを得たフィクション作品だ。

本作の内容は、実在する人物や実際に起きた出来事に基づいて作られたストーリーではない。デイモンと、彼の周囲の人々の人生に起きた出来事から、インスピレーションを得て制作された作品である。

デイモンは、ハーバード大学5年生の時に、一幕の演劇のつもりで本作の物語を書き始め、結果的に40ページの映画脚本に仕上げた。その後、アフレックを説得して執筆に参加してもらい、1994年に完成させた。

当初の脚本内容は、スパイや政府の登場を含むスリラーものに向かっていたが、後にショーンとウィルの関係に焦点を当てたものに変更された。

また、ファンの間で一番気になるシーンと言えば、主人公ウィル・ハンティングがマサチューセッツ工科大学(MIT)の黒板に書かれた数学の問題を解くシーンだ。

デイモンはこのシーンに関して「自身の兄のカイルに起こったことが元になってる」と、MITの卒業生に語っている。

「カイルはMITで知り合った物理学者を訪ねていて、ホールに並んでいる黒板を発見した。芸術家である私の兄は、チョークを手に取っていたずらで全く偽物の方程式を書いたんだ。その式はとてもクールで、狂っていて、何カ月もの間、誰も消さなかった。これは実話なんだ」と彼は話した。

主人公のウィルにとって人生は、不公平なものだった。彼は両親を持たず、幼少期を虐待的な里親の元で過ごした。それがトラウマとなり、彼の人生に大きな影響を与えている。

ラストシーンでは、彼がとある会社から仕事の依頼を受けるが、それを断りカリフォルニアで愛する女性スカイラーと再会する姿が描かれる。彼はお世話になったショーン・マグワイア教授に手紙を出し、就職を断ったことを伝える。

最終的に愛と幸福を選ぶウィルの姿からヒントを得たショーンは、旅に出ることを決意。ショーンもまた、自身の妻を亡くした悲しみを抱えており、主人公ウィルのように世界の素晴らしい部分に心を閉ざしていたのである。

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』は、物語全てが実話という訳ではないが、実生活の経験から得たインスピレーションが、映画の中でオスカーに値する物語になり得ることを実証した作品だ。

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