エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督メッセージ
日本で私の映画を上映していただけてとても幸せです。皆様にこの映画を観ていただきたい理由はいくつかあります。ひとつは、子供のトランスジェンダーというとても重要なテーマを扱っているからです。しかし、それだけではありません。
家族の問題も含まれていますし、私たちは時々、自分はいったい誰なのだろうと自問することがあります。それは、自分自身を取り巻く人々が自分をどのように見ているかにも関係します。
この映画は、光に満ちていて繊細で優しく感動的です。主人公のソフィア・オテロだけではなく、母親や祖母、叔母役の俳優たちも素晴らしい演技をしています。
また、この映画を見て私の生まれ故郷であるバスクを発見してほしいと思います。バスク語という言語、そしてバスクの風景をです。映画館で皆様を待っています。
【エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン プロフィール】
1984年5月4日スペイン・バスク州ビルバオ生まれ。バスク州のパイス・バスコ大学 オーディオビジュアル・コミュニケーション専攻、キューバの国際映画テレビ学校 編集理論専攻を卒業。
フィルム・ディレクションと映画ビジネスの分野で修士号を取得。
水泳の選手権を控えた女性がトラブルに見舞われるという短編映画の『Adri』(13)や 『Ashes and Dust(英題)』(20)、第64回サン・セバスティアン国際映画祭で上映された長編ドキュメンタリー『Paper Voices(英題)』(16)などを監督。
最新短編映画『Chords(英題)』(22)は、ある合唱団が補助金を受けられなくなった代わりに公害を引き起こしている企業のスポンサーを引き受けるかどうかを決めるという社会問題を含んだ作品で、第75回カンヌ国際映画祭の監督週間で初上映され、第28回ホセ・マリア・フォルケ賞の最優秀短編映画賞をはじめ、国内外で多数の賞を受賞。
2023年には、初の長編劇映画監督作品となる『ミツバチと私』(23)が、第73回ベルリン国際映画祭にて、銀熊賞 最優秀主演俳優賞とギルド賞をW受賞した。
さらに、第36回東京国際映画祭にて新設された「エシカル・フィルム賞」を受賞。スペイン、バスク州のサン・セバスティアン在住。
【STORY】
夏のバカンスでフランスからスペインにやってきた家族。8歳のアイトールは、自分の性自認が分からず、違和感と居心地の悪さの悩み、心を閉ざしていた。母はそんなアイトールを愛しながらも向き合い方に迷っている。
ある日、叔母が営んでいる養蜂場でミツバチの生態を知ったアイトールは、ハチや自然と触れ合うことで心をほどき、多様性を受け入れ、ありのままで生きていきたいという思いを強くしていく――。
【作品情報】
監督・脚本:エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン
出演:ソフィア・オテロ、パトリシア・ロペス・アルナイス、アネ・ガバライン
2023年/スペイン/128分/スペイン語・バスク語・フランス語/英題:20,000 SPECIES OF BEES/字幕:大塚美左恵
配給:アンプラグド 後援:駐日スペイン大使館 © 2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE
unpfilm.com/bees_andme
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