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バラバラの時系列が織りなす恋愛の切なさー脚本の魅力

スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー
映画500日のサマーのスタッフキャスト陣Getty Images

本作の脚本の最大のポイントは、時系列がバラバラになっていることだろう。

あらすじからも分かるように、本作では、最初にナレーションでトムとサマーの出会いと別れが提示され、その後、2人の出会いから別れまでの500日のうち36日間の出来事が順不同で展開する。

しかし、順不同とはいっても決してランダムなわけではない。例えば34日目と303日目のつなぎでは、34日目の幸せいっぱいのトムがエレベーターに入ると、エレベーターが開いて303日目の傷心のトムが出てくる。

このようにそれぞれのシーンは微妙にリンクしているのだ。加えて、日数の落差が大きいシーンでは、仲睦まじい2人と冷え切った2人の仲が対比されることになり、観客の胸に切なく突き刺さる。

また、2人の出来事を日記のように日付とともに明示することで、それぞれの出来事をかけがえのないものとして提示するとともに、本作には収まりきらなかった464/500の日々について観客が想いを馳せる余白を生むことに成功している。この演出も粋で巧いやり方だ。

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