ホーム » 投稿 » 海外映画 » レビュー » あまりに素晴らしい…快楽に満ちた映像体験の秘密を解説。映画「グランド・ブダペスト・ホテル」<あらすじ 考察 レビュー> » Page 7

グランド・ブダペスト・ホテル 音楽の寸評

使用楽曲のほとんどは、フランス出身の音楽家・アレクサンドル・デスプラによるもの。実在しない中央ヨーロッパの町を舞台とし、メインで描かれる時代が戦前であることから、オーケストラ用の楽器を一切用いず、西欧の古き良き民族楽器を多用して楽曲が制作されている。

東ヨーロッパのジプシー音楽をモチーフにしたサウンドトラックは新鮮な響きがあり、奇想天外な物語と様式化された映像にこの上なくマッチ。その実験的な音楽が評価され、第87回アカデミー賞では最優秀作曲賞を受賞している。

監督のウェス・アンダーソンはデスプラが手掛ける音楽を「ズブロウキアン・ミュージック」と形容。その心は「唯一無二」であり、本作が作り上げる独創的な世界観に欠かせないファクターとなっている。

1 2 3 4 5 6 7 8