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希代の名優たちが一世一代の演技を披露〜配役の魅力〜

ドン・コルレオーネを演じたマーロン・ブランド
ドンコルレオーネを演じたマーロンブランドGetty Images

主役のヴィトーを演じるのは、撮影当時40代後半のマーロン・ブランド。老境に達したファミリーのドンを演じるために、特殊メイクによってシワを作り、耳栓をして撮影に臨むことで聴力の衰えを再現している。その上、スーツの下に詰めものをして弛んだお腹を作り、両足には重りを付けて鈍重な足取りを強調。老いの波に晒されるマフィアのボスを説得力豊かに演じきり、アカデミー賞では最優秀主演男優賞を獲得。本作以前はすっかり落ち目の俳優と目されていたが、見事に復活を果たした。

マイケルを演じたアル・パチーノは上背がない分、偉大なる父の跡目を継ぐことに起因するコンプレックスを強く感じさせ、悩める秀才を繊細に演じている。長男・ソニー役のマイケル・カーン、次男・フレド役のジョン・カザールも持ち前の個性と役柄が奇跡のようなバランスで一致し、キャリア最高の芝居を見せている。

ヴィトーの養子であり、組織の相談役・トム・ヘイゲンに扮するのは、ロバート・デュヴァル。武力を用いず、知略によって敵を追い詰めていく演技には凄みがあり、アカデミー賞では助演男優賞にノミネートされた。主要キャストの面々はいずれもアカデミー賞受賞クラスの名演技を披露しており、作品に底知れぬ強度と輝きをもたらしている。

ちなみに、長女コニーはコッポラの実妹・タリア・シャイアが演じ、終盤に登場するコニーの幼い息子・フランシス役には、後に映画監督になる娘のソフィア・コッポラが扮している。

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